北海道から飛行機を飛ばしてやってくる青年は、飛行青年である。飛行機代とホテル代を払ったら、北海道でもっと美味いもの食べれるだろとシェフにいじられてもめげずにやって来る。グルメな飛行青年が魅了される料理がここにはある。
飛行青年は北の旅人と呼ばれている。全日空をこよなく愛して飛びまわる。当然、ダイヤモンドメンバーである。ダイヤモンドメンバーを維持するためには飛びまくらないといけない。キャンセル待ちはほぼ取れる強者だ。
黒く重い扉を開けて北の旅人は座っていた。東京での買い物はくまなくロードしてきたみたいだ。愛用の神戸ルボナー製のバックパックはパンパン状態だ。何を買ってきたのやら。
今宵のディナーは魅惑的だった。
桜えび 駿河湾でとれるこのエビは、どの港で上がっても売上は総量で分配される。乱獲を防止する組合協定らしい。
沼津で食べる美味しい桜えびと同じ品質のものだった。タコのマリネはプリプリのタコを味わうには最適だった。
イワシのがこんなに美味しく返信するのかな。
黒アワビとサヨリ。サヨリは昆布締めにしてある。
「北海道からきたからね。北海道の美味しいつぶ貝を出そうか」とつぶ貝を焼いてくれた。
北海道ではつぶ貝の肝は食べないらしい。
ウイスキーはレダイグだよ。これがまた美味いのだよ。年号は若いけどね。イギリスのマル島で作られれいるモルトだよ。
マル島は機関車トーマスのモデルになった汽車がたくさん走っているのだよ。
行きたいない。
穴子だよ。この季節のアナゴは脂ののりがものすごくいい感じなんだよね。
このアナゴは程よい脂ののりだった。対馬のアナゴが美味いのだよ。
網焼きだよ。
イベリコ豚のアッラミネラーゼ きのこは白のポートワインに浸かっていたのだ。
抜群のうまさに、北の旅人は絶句だよ。
止椀が出てきた。冬らしいじゃないか。
最後に出てきたのはラフランス。山形県のラフランスだけど完熟してるからものすごい糖度だよ。
これ食べたらもう他は食べられないな。
あ、ちなみに、ランチのデザートにも出てきますよ。
北の旅人は来年も飛んで来る。毎月ね。
ドアを開けたら「何しに来たの?」と言われ続けるだろう。